膠原病
膠原病
一般的に言われている膠原病は
本来ならば細菌やウイルス、カビなどの外敵を攻撃して身体を守ろうとする免疫の働きが、
誤って逆に自分の身体を行為するようになってしまう自己免疫疾患の難病です。
各臓器に炎症が起き、痛みや発熱や腫れがみられます。
よく知られている膠原病は、
関節リュウマチ・全身性エリトマトーデス・全身性強皮症です。
関節リウマチ
関節で炎症が起きた場合です。
関節の滑膜と呼ばれる関節を覆っているコラーゲンの膜に持続的な炎症が起きます。
持続により骨や軟骨が破壊されてゆき、痛みも強くなります。
肺の合併症を発症する率が高い病態です。
全身性エリトマトーデス
全身症状:1週間以上続く38度以上の高熱、2週間以上続く37.5度前後の微熱、
いつまでも続く全身倦怠感・疲労感がある
関節症状:手や指の関節が腫れて痛む
皮膚症状:蝶型紅斑(両頬に赤い発疹が出て、蝶が羽を広げた形)
噛まれたような丸い盛り上がった重なった赤い発疹
日光過敏症:紫外線に当たると赤い発疹、水ぶくれ、熱が出る
全身性強皮症
皮膚や内臓が線維化して硬くなり進行します。
冷たいものに触れたり外温度が低い時指の先が真っ白になるレイノー症状
皮膚が摘まみ難くなり硬くなる
50%の方に間質性肺炎の発症
その他多発性筋肉炎
筋肉体幹や太もも、二の腕の胴体に近い部分に炎症が生じる
この筋炎の場合は、間質性肺炎が急激に進む特徴があります。
コロナ以来、人間の免疫はあまりにも敏感になっており、
少しのゴミ・菌・ウイルス・カビを過剰に攻撃しようとして、膠原病の病態になり易い時代が来ている印象があります。
ですから、ウイルス感染した後やハードワークで睡眠不足の後など身体は身を守ろうとして免疫力を過剰に発揮します。
そんな時全身を整えることが上手く高ぶった免疫を治めようとしてくれる、
または、動かなくなった免疫力を高めてくれる養生としての漢方薬の出番です。
東洋医学では、病名はつけませんが
瘀血虚血、腎陰陽両虚、肺気陰虚として証を取ります
お困りの症状に対して患者さんのご様子を拝見しながら、薬味を合わせていきます。
漢方薬では免疫は肺の病態として基本的には捉えます。
西洋医学的に言えば副腎の働きの弱りにつながる病態ですが、
これを東洋医学的に考えると腎の病態となりますので、肺と腎の強化が基本となります。