男性疾患における男性更年期
男性更年期
男性更年期について
性ホルモンは女性も男性も45を過ぎたころから低下してきます。
女性は閉経を迎えエストロゲン不足による更年期を迎え、男性も男性ホルモンテストステロンの低下や女性ホルモンの上昇がみられるようになります。
女性はエストロゲン・プロゲステロン・オキシトシン・テストステロンと4つのホルモンを持って主に妊娠子育てと誰かを育て優しく守る性質のホルモンが優位の生物ですが、男性はブレーキ役としての女性ホルモンも少し持っているにせよ、主にはテストステロン優位の生物です。
知恵と体力と意欲を全て支えたホルモン
昔々狩猟採集の時代、食べるために朝から晩までどの男より先に獲物を得るその知恵と体力と意欲を全て支えたホルモンなのです。
獲得ホルモンというネーミングが適格です。そして家族の為に命がけで獲物を摂り家族から頼りにされる。
実はこのやり取りもテストステロンを活発にするのに一役買っていました。
更年期の年齢でなくても、現代は豊かすぎます。
毎日槍を持って獲物を探しに行かなくても、冷蔵庫に食べるものはたくさん入っています。
また、女性も男性並みに稼ぐため、男性の稼ぎだけに頼ることはなくなっている時代です。頼りにされている実感が薄れているのも否めません。
つまり時代としてテストステロンを煽り立てるような因子が減ってしまいました。
また、テストステロンは社会性のホルモンとも言われており、社会で自分が必要とされている実感が必要です。会社を定年で辞めるあたりからの発症が多い理由は、社会性ホルモンとしての期待度が下がってしまったことによります。
男性は思考や感情を少量の女性ホルモンの力で抑制する仕組みになっています。テストステロンの低下が無くても、この女性ホルモンが増えているということは抑制された感情があり、更年期の症状が出てしまいます。
男性更年期の症状
男性更年期の症状として、
- イライラおこりっぽくなっている
- 睡眠がとれない
- 勃起不全
- 性欲減退
- 興味関心が薄れる
- 筋力の衰え
- 人と会いたくない
- 判断認知力の衰え
などが挙げられます。
人が変わったようにやる気がなくなってしまい、鬱ではないかと心療内科に掛かることが多いのです。
治療について
血液1デシリットル中テストステロン量が300~350ng以下で心身ともに疲労感がある時は更年期の治療をします。
東洋医学では腎虚の病態として、日常生活の改善を主に大切にします。漢方薬の安寧剤と柴胡剤と共に使います。